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文献詳細

雑誌文献

検査と技術50巻11号

2022年11月発行

文献概要

ワンポイントアドバイス

アルギン酸ナトリウムを用いたセルブロック作製法

著者: 加戸伸明1

所属機関: 1東海大学医学部付属病院病理検査技術科

ページ範囲:P.1282 - P.1284

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はじめに

 Papanicolaou染色標本観察後,同様の標本を作製することが不可能な細胞診検体において,セルブロック法は極めて重要な技術であるといえる.セルブロック法は,平成28(2016)年度に初めて診療報酬点数が認定された後,現在では呼吸器領域や消化器領域,婦人科領域そして悪性リンパ腫と適応対象が拡大され注目を集めている.本稿で紹介するアルギン酸ナトリウム法では,培養細胞を用いた核酸品質の検討も行われている.10%中性緩衝ホルマリンの固定条件に留意する必要があるものの,組織標本と同等の核酸品質や安定した蛋白発現を得ることが可能と報告されており1),がんゲノム医療時代を迎えたわが国において今後セルブロック法の役割がますます大きくなっていくことが予想される.

参考文献

1)村田和也,河原明彦,安倍秀幸,他:アルギン酸ナトリウムFFPEセルブロック法における核酸品質と蛋白発現—ホルマリン固定プロセスの違い.日臨細胞会誌 60:15-21,2021
2)佐野順司,吉本尚子,溝口良順,他:アルギン酸ナトリウムを用いたセルブロック法の有用性についての検討.日臨細胞会誌 44:291-297,2005
3)加戸伸明,芹澤昭彦,伊藤仁:セルブロックの作製法.水口國雄(編):染色法のすべて.医歯薬出版,pp261-266,2021

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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