文献詳細
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文献概要
はじめに
Papanicolaou染色標本観察後,同様の標本を作製することが不可能な細胞診検体において,セルブロック法は極めて重要な技術であるといえる.セルブロック法は,平成28(2016)年度に初めて診療報酬点数が認定された後,現在では呼吸器領域や消化器領域,婦人科領域そして悪性リンパ腫と適応対象が拡大され注目を集めている.本稿で紹介するアルギン酸ナトリウム法では,培養細胞を用いた核酸品質の検討も行われている.10%中性緩衝ホルマリンの固定条件に留意する必要があるものの,組織標本と同等の核酸品質や安定した蛋白発現を得ることが可能と報告されており1),がんゲノム医療時代を迎えたわが国において今後セルブロック法の役割がますます大きくなっていくことが予想される.
Papanicolaou染色標本観察後,同様の標本を作製することが不可能な細胞診検体において,セルブロック法は極めて重要な技術であるといえる.セルブロック法は,平成28(2016)年度に初めて診療報酬点数が認定された後,現在では呼吸器領域や消化器領域,婦人科領域そして悪性リンパ腫と適応対象が拡大され注目を集めている.本稿で紹介するアルギン酸ナトリウム法では,培養細胞を用いた核酸品質の検討も行われている.10%中性緩衝ホルマリンの固定条件に留意する必要があるものの,組織標本と同等の核酸品質や安定した蛋白発現を得ることが可能と報告されており1),がんゲノム医療時代を迎えたわが国において今後セルブロック法の役割がますます大きくなっていくことが予想される.
参考文献
1)村田和也,河原明彦,安倍秀幸,他:アルギン酸ナトリウムFFPEセルブロック法における核酸品質と蛋白発現—ホルマリン固定プロセスの違い.日臨細胞会誌 60:15-21,2021
2)佐野順司,吉本尚子,溝口良順,他:アルギン酸ナトリウムを用いたセルブロック法の有用性についての検討.日臨細胞会誌 44:291-297,2005
3)加戸伸明,芹澤昭彦,伊藤仁:セルブロックの作製法.水口國雄(編):染色法のすべて.医歯薬出版,pp261-266,2021
掲載誌情報