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文献詳細

雑誌文献

検査と技術50巻12号

2022年12月発行

文献概要

技術講座 その他

臨床検査を終了した既存試料(残余検体)の研究,業務,教育のための使用について—日本臨床検査医学会の見解2021年改訂を読み解く

著者: 横崎典哉1

所属機関: 1広島大学病院検査部

ページ範囲:P.1349 - P.1353

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Point

●医学系研究を目的とした既存試料(残余検体)を使用する場合のインフォームド・コンセントの手続きの原則は,“通知と適切な同意”と呼ばれる手法である.

●通知と適切な同意が困難な場合は,適切な手続きをとるとともに,研究対象者などが拒否できる機会を保障すること(オプトアウト)により使用可能である.

●ヒトゲノム・遺伝子解析研究を目的とした既存試料(残余検体)を使用する場合のインフォームド・コンセントの手続きについては,今後の議論を見つつ慎重な対応が必要である.

●業務および教育目的で既存試料(残余検体)を使用する場合は,個人情報の保護に関する法律を順守して使用する.

参考文献

1)World Medical Association : Declaration of Helsinki, Ethical Principles for Medical Research Involving Human Subjects, 2000 (https://www.wma.net/wp-content/uploads/2018/07/DoH-Oct2000.pdf)(2022年8月30日アクセス)
2)日本臨床検査医学会:臨床検査を終了した検体の業務,教育,研究のための使用について—日本臨床検査医学会の見解,2002(https://www.jslm.org/committees/ethic/kentai.html)(2022年8月30日アクセス)
3)文部科学省,厚生労働省,経済産業省:人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針,2021(https://www.lifescience.mext.go.jp/files/pdf/n2312_01.pdf)(2022年8月30日アクセス)
4)日本臨床検査医学会:臨床検査を終了した既存試料(残余検体)の研究,業務,教育のための使用について—日本臨床検査医学会の見解—2021年改訂,2021(https://www.jslm.org/committees/ethic/zanyokentai20211016.pdf)(2022年8月30日アクセス)
5)Shuster E : Fifty years later : the significance of the Nuremberg Code. N Engl J Med 337:1436-1440,1997
6)THE WORLD MEDICAL ASSOCIATION : DECLARATION OF HELSINKI Ethical Principles for Medical Research Involving Human Subjects.(https://www.med.or.jp/dl-med/wma/helsinki2013e.pdf)(2022年8月30日アクセス)
7)日本臨床検査医学会:臨床検査を終了した残余検体(既存試料)の業務,教育,研究のための使用について—日本臨床検査医学会の見解—2017年改訂(https://www.jslm.org/committees/ethic/zanyokentai20171223.pdf)(2022年8月30日アクセス)
8)文部科学省,厚生労働省,経済産業省:人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針ガイダンス,2021(https://www.lifescience.mext.go.jp/files/pdf/n2330_01.pdf)(2022年8月30日アクセス)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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