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文献詳細

雑誌文献

検査と技術50巻12号

2022年12月発行

臨床医からの質問に答える

嫌気培養を依頼するときの注意点を教えてください.

著者: 三澤慶樹1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院感染制御部

ページ範囲:P.1370 - P.1372

文献概要

はじめに

 いきなりで申し訳ないが,嫌気培養にはお金がかかる.例えば,嫌気性菌全般の分離・培養に適し,常用されるヘミン・ビタミンK加ウサギ血液寒天培地は1枚450円する.一般的な細菌培養に用いられるヒツジ血液寒天培地が1枚250円程度なのでかなり高価な培地といえる.加えて嫌気性菌は通性嫌気性菌と混在していることが多く,選択的に分離するための嫌気性菌選択分離培地を使うことがあるが,これも1枚400〜500円する.酸素を排除した嫌気条件の環境を整えなければ嫌気培養はできないし,複数菌が混在しているなかから単一菌種を分離する際にもさらに培地が必要となる.そう,嫌気培養は本当にお金がかかるのだ.

 それにもかかわらず,嫌気性培養加算として割り当てられている保険点数は122点(1,220円)でしかない.嫌気性菌検査はすればするほど赤字が膨らむ検査なのである.

参考文献

1)国広誠子,藤原智子,江成博,他:嫌気性菌検査ガイドライン2012.日臨微生物誌 22(Suppl 1),2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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