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検査と技術50巻2号

2022年02月発行

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同種クリオプレシピテート作製術—製剤の調製方法と管理体制

著者: 相川佳子1

所属機関: 1東京医科歯科大学病院輸血・細胞治療センター

ページ範囲:P.96 - P.99

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はじめに

 クリオプレシピテート(以下,クリオ)は凍結した新鮮血漿を1〜6℃で緩徐に融解することで析出する白色沈殿物である.この析出したクリオを遠心沈殿させ,上清を除去して調製したものをクリオプレシピテート製剤(以下,クリオ製剤)と呼ぶ.クリオにはフィブリノゲン,凝固第Ⅷ因子やフォン・ヴィレブランド因子(von Willebrand factor:VWF)が濃縮されており,急速な凝固因子の補充による止血効果が期待される1)

 本稿では,血液製剤である新鮮凍結血漿(fresh frozen plasma:FFP)を用いて作製する同種クリオ製剤の調製方法と東京医科歯科大学医学部附属病院(以下,当院)での管理体制について概説する.

参考文献

1)小川覚,宮田茂樹:フィブリノゲンが止血に果たす役割—希釈性凝固障害における補充療法.日血栓止血会誌 27:328-338,2016
2)石倉宏恭,村井映,太田大樹:大量出血時における止血機能維持を目的としたフィブリノゲン補充療法の重要性.日集中医誌 22:9-11,2015
3)岩尾憲明,須波玲,大森真紀子,他:産科大量出血に対するクリオプレシピテートの有用性.日輸血細胞治療会誌 58:486-491,2012
4)日本輸血・細胞治療学会クリオプレシピテートの院内調製基準作成タスクフォース委員会:クリオプレシピテート作製プロトコール Ver.1.4(http://yuketsu.jstmct.or.jp/wp-content/uploads/2016/11/be64675762b20d703527c3d9a19ccac6.pdf)(2021年10月22日アクセス)
5)大石晃嗣,松本剛史,田中由美,他:FFP-LR240を用いたクリオプレシピテート作製プロトコール.日輸血細胞治療会誌 65:10-20,2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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