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文献詳細

雑誌文献

検査と技術50巻3号

2022年03月発行

文献概要

増大号 見て学ぶ 一般検査学アトラス—外観検査から顕微鏡検査まで 尿検査

尿沈渣検査に必要な組織像

著者: 富安聡1

所属機関: 1国際医療福祉大学福岡保健医療学部医学検査学科

ページ範囲:P.262 - P.271

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概要

 腎臓は,中胚葉由来で後腹膜に存在する長さ約11cm,幅約6cm,厚さ約3cm,重さ約130gのソラマメ様の形をした器官である.表面は線維被膜で覆われ,さらに副腎とともに脂肪被膜,Gerota筋膜で覆われる.縦断面では,皮質と髄質に区別することができる.尿細管が集合する錐体形の髄質部分を腎錐体といい,その先端部分を腎乳頭という.尿細管は近位尿細管,ヘンレ係蹄,遠位尿細管,集合管,乳頭管に分類され,それぞれ機能と形態が異なる.

 皮質には,主に腎小体(ボウマン囊と糸球体),近位尿細管,遠位尿細管が分布する.髄質には,主に尿細管,ヘンレ係蹄,集合管,乳頭管,直細血管が分布する.糸球体の軸部にはメサンギウム細胞が存在し,糸球体毛細血管の構造と腎機能を維持する役割を果たす.また,糸球体毛細血管を構成する血管内皮細胞,糸球体基底膜,糸球体上皮細胞は糸球体係蹄壁を形成し,血液を濾過して原尿を生成する.生成された尿は尿細管を経由して腎乳頭より腎杯に排出され,腎盂へと集められる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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