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文献詳細

雑誌文献

検査と技術50巻4号

2022年04月発行

文献概要

トピックス

次世代デジタルパソロジーの可能性

著者: 森一郎1

所属機関: 1国際医療福祉大学医学部病理・病理診断学教室

ページ範囲:P.413 - P.417

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デジタルパソロジーとその仕組み

 デジタルパソロジーでは,バーチャルスライド(whole slide image:WSI)が全ての基礎になります.拡大・縮小・移動などが自由に行え,移動・保存・コピーなどが簡単で,遠隔診断との相性は抜群です.また,画像データの数値化が容易となり,人工知能(artificial intelligence:AI)を含む画像処理の可能性が広がってきています.

 これまでWSIは遠隔診断(テレパソロジー)や他院標本の記録,学会でのスライドカンファレンス,学生の病理実習などに主に使われてきました.しかし今後は標本作製後すぐに全標本をWSI化し,病理医は顕微鏡ではなくモニターで診断する場面も増えていくと考えています.顕微鏡と比較して,過去標本の参照が容易で,多種類の特殊染色を同時に並べて比較でき,保管場所があまりいらないなどさまざまな利点があります.CTやMRI画像のように,病理画像も電子カルテから参照可能にすることも重要と考えています.

参考文献

1)日本病理学会:ステートメント:人工知能AIと病理医について.2021(https://www.pathology.or.jp/ippan/AI-statement.html)(2022年1月26日アクセス)
2)森一郎:検査室におけるWSI(バーチャルスライド)活用の実際 病理検査—デジタルパソロジー.Med Technol 45:1227-1234,2017
Japan 45:12−16,2017
4)森一郎:病理診断のパラダイムシフト,デジタルパソロジー新時代の到来.病理と臨 34:56-60,2016
5)Masuda S, Suzuki R, Kitano Y, et al : Tissue thickness interferes with the estimation of the immunohistochemical intensity : Introduction of a control system for managing tissue thickness. Appl Immunohistochem Mol Morphol 29:118-126,2021

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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