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技術講座 病理
病理組織グラム染色—ブラウン・ホップス(Brown-Hopps)法
著者: 迫欣二1
所属機関: 1JA愛知厚生連知多厚生病院臨床検査室
ページ範囲:P.440 - P.443
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●大半の細菌は構造上,グラム陽性菌,グラム陰性菌のいずれかに分類される.これらの分類に用いられるのがグラム(Gram)染色であり,病理組織検査でも微生物検査同様,陽性菌を紫色,陰性菌を赤色に染色する.
●グラム陽性菌はペプチドグリカン層からなる厚い細胞壁をもつ一方,グラム陰性菌では外膜を有するものの細胞壁のペプチドグリカン層は薄く,この構造の違いがグラム染色の原理に大きくかかわるとされている.
●病理組織検査のグラム染色法には数々の変法があるが,ピクリン酸・アセトンを用いるブラウン・ホップス法では,特にグラム陰性菌のコントラストが優れている.
●病理診断のための免疫染色が多用される昨今,ブラウン・ホップス法の頻度は高くはないが,比較的簡便な方法でグラム陽性菌かグラム陰性菌かを鑑別できる重要な染色の1つである.
●大半の細菌は構造上,グラム陽性菌,グラム陰性菌のいずれかに分類される.これらの分類に用いられるのがグラム(Gram)染色であり,病理組織検査でも微生物検査同様,陽性菌を紫色,陰性菌を赤色に染色する.
●グラム陽性菌はペプチドグリカン層からなる厚い細胞壁をもつ一方,グラム陰性菌では外膜を有するものの細胞壁のペプチドグリカン層は薄く,この構造の違いがグラム染色の原理に大きくかかわるとされている.
●病理組織検査のグラム染色法には数々の変法があるが,ピクリン酸・アセトンを用いるブラウン・ホップス法では,特にグラム陰性菌のコントラストが優れている.
●病理診断のための免疫染色が多用される昨今,ブラウン・ホップス法の頻度は高くはないが,比較的簡便な方法でグラム陽性菌かグラム陰性菌かを鑑別できる重要な染色の1つである.
参考文献
1)Wilhelm MJ, Sheffield JB, Sharifian Gh M, et al : Gram's stain does not cross the bacterial cytoplasmic membrane. ACS Chem Biol 10:1711-1717,2015
1)Brown RC, Hopps HC : Staining of bacteria in tissue sections : a reliable gram stain method. Am J Clin Pathol 60:234-240,1973
2)梅田昭子,天児和暢:細菌細胞壁の構造.真菌誌 39:147-150,1998
3)松並平晋:グラム染色コンペのまとめ.病理技術 52:8-10,1995
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