文献詳細
文献概要
疾患と検査値の推移
髄膜炎
著者: 石和田稔彦1
所属機関: 1千葉大学真菌医学研究センター感染症制御分野
ページ範囲:P.452 - P.459
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●ワクチンの普及により小児の細菌性髄膜炎は激減したが,全身状態不良の小児の診療においては,必ず本症を念頭に置く必要がある.
●髄液一般検査では,好中球優位の髄液細胞数増加と髄液蛋白の増加,髄液糖/血糖比の低下が認められる.
●急性期には,播種性血管内凝固(DIC)や抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)を伴うことも多く,検査値から推測し,適切に対応する.
●髄液細胞数や末梢血白血球数,C反応性蛋白(CRP)値は,正常化までに時間を要するため,抗菌薬治療効果の判定は,髄液培養,血液培養からの原因菌陰性化を優先する.
●ワクチンの普及により小児の細菌性髄膜炎は激減したが,全身状態不良の小児の診療においては,必ず本症を念頭に置く必要がある.
●髄液一般検査では,好中球優位の髄液細胞数増加と髄液蛋白の増加,髄液糖/血糖比の低下が認められる.
●急性期には,播種性血管内凝固(DIC)や抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)を伴うことも多く,検査値から推測し,適切に対応する.
●髄液細胞数や末梢血白血球数,C反応性蛋白(CRP)値は,正常化までに時間を要するため,抗菌薬治療効果の判定は,髄液培養,血液培養からの原因菌陰性化を優先する.
参考文献
1)砂川慶介,酒井文宜,平尾百合子,他:本邦における小児細菌性髄膜炎の動向(2007〜2008).感染症誌 84:33-41,2010
2 Shinjoh M, Yamaguchi Y, Furuichi M, et al : Recent trends in pediatric bacterial meningitis in Japan, 2016-2018 - S. agalactiae has been the most common pathogen. J Infect Chemother 26:1033-1041,2020
3)及川純子,石和田稔彦:各種感染症の免疫学的検査法 中枢神経系細菌感染症.検と技 38:881-883,2010
4)日本神経学会,日本神経治療学会,日本神経感染症学会(監):細菌性髄膜炎診療ガイドライン2014.南江堂,pp115−116,2015
5)黒崎知道,中村明,寺嶋周,他:デキサメタゾン療法を施行した小児細菌性髄膜炎の臨床経過の検討.日小児会誌 100:49-54,1996
6)Donald PR, Malan C, van der Walt A : Simultaneous determination of cerebrospinal fluid glucose and blood glucose concentrations in the diagnosis of bacterial meningitis. J Pediatr 103:413-415,1983
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