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文献詳細

雑誌文献

検査と技術50巻4号

2022年04月発行

文献概要

臨床医からの質問に答える

尿比重について試験紙法と機械法(屈折計法)の違いを教えてください.

著者: 服部亮輔1

所属機関: 1日本大学病院臨床検査部

ページ範囲:P.466 - P.468

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はじめに

 尿比重は尿中に溶けている溶質の濃度を表し,尿浸透圧は尿中のイオン濃度の指標として利用されています.尿は塩類・尿素を主成分とする混合液であり,病的尿では蛋白やブドウ糖なども含有されますが,尿浸透圧と尿比重は一般的には相関関係にあります.いずれも尿量を反映し,尿量が多ければ尿浸透圧や尿比重は低値になり,少なくなれば高値になります(例外的に糖尿病では,多尿・高比重となる).尿の希釈・濃縮力の評価には,イオン濃度に比例する尿浸透圧が最適ですが,測定方法が簡便で,専用の分析装置を必要としない尿比重が代用される傾向にあります.

 現在,尿比重の測定法は,①化学的比重測定法を原理とする“試験紙法”と,②“機械法(屈折計法)”が多く用いられています.

参考文献

1)河合忠,伊藤喜久,堀田修,他:最新尿検査—その知識と病態の考え方.メディカル・ジャーナル社,2014
2)宿谷賢一,田中雅美,下澤達雄,他:尿試験紙検査—各論—比重.北本清,蓬田茂(監):US特別編集号 尿検査の基礎 症例報告.栄研化学,pp51-52,2008
3)金井泉(著),金井正光(編著):臨床検査法提要 改訂第29版.金原出版,1983
4)日本臨床衛生検査技師会:一般検査技術教本 検査技術による検査技師のための技術教本.日本臨床衛生検査技師会,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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