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文献詳細

雑誌文献

検査と技術50巻6号

2022年06月発行

文献概要

疾患と検査値の推移

慢性膵炎

著者: 佐久間文1 入澤篤志1

所属機関: 1獨協医科大学医学部内科学(消化器)講座

ページ範囲:P.620 - P.627

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Point

●慢性膵炎は上腹部痛や背部痛を主訴とし,長い年月をかけて膵臓の線維化が進行する疾患である.非代償期では内分泌機能低下による糖尿病や,外分泌機能低下による消化吸収障害や下痢が生じる.

●慢性膵炎の診断は,特徴的な画像所見や膵酵素異常などの検査所見,腹痛などの臨床症候の組み合わせから行う.

●BT-PABA試験はわが国で施行可能な膵外分泌機能の評価法であるが,薬剤や合併疾患により異常値を呈することがあり,膵疾患に特異的ではないことに留意する.

●慢性膵炎は膵発癌のリスク因子であり,血液検査や画像検査などで注意深く経過観察する必要がある.

参考文献

1)日本膵臓学会:慢性膵炎臨床診断基準2019.膵臓 34:279-281,2019(http://www.suizou.org/pdf/diagnostic_criteria2019.pdf)(2022年4月6日アクセス)
2)Ueda J, Tanaka M, Ohtsuka T, et al : Surgery for chronic pancreatitis decreases the risk for pancreatic cancer : a multicenter retrospective analysis. Surgery 153:357-364,2013
3)日本消化器病学会(編):慢性膵炎診療ガイドライン2021 改訂第3版.南江堂,2021
4)Domínguez-Muñoz JE, Pieramico O, Büchler M, et al : Ratios of different serum pancreatic enzymes in the diagnosis and staging of chronic pancreatitis. Digestion 54:231-236,1993
5)佐久間文,入澤篤志,星恒輝,他:急性膵炎・慢性膵炎.臨消内科 37:223-230,2022

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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