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文献詳細

雑誌文献

検査と技術50巻7号

2022年07月発行

文献概要

病気のはなし

急性糸球体腎炎

著者: 斎藤彰信1

所属機関: 1東邦大学医療センター大森病院腎センター

ページ範囲:P.694 - P.699

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Point

●感染症後の浮腫,乏尿,血尿を生じた場合には急性糸球体腎炎を疑う必要がある.

●溶連菌感染後急性糸球体腎炎(PSAGN)の発症頻度は生活環境の改善と抗生物質の普及から減少傾向である.治療の基本は対症療法で,通常は自然寛解する.臨床経過が典型的ではない場合に,確定診断目的や他の腎疾患との鑑別目的で腎生検を行う.

●一方で,ブドウ球菌持続感染中に発症するIgA優位沈着性感染関連糸球体腎炎が増加傾向である.糖尿病などの背景疾患がある高齢者に多く,腎予後は不良である.

参考文献

1)東邦大学医療センター佐倉病院腎臓内科ホームページ(https://www.lab.toho-u.ac.jp/med/sakura/neph/)(2022年4月1日アクセス)
2)城謙輔:所見の捉え方:光学顕微鏡.日本腎病理協会,日本腎臓学会(編):腎生検病理アトラス改訂版.東京医学社,pp44-52,2017
3)Satoskar AA, Parikh SV, Nadasdy T : Epidemiology, pathogenesis, treatment and outcomes of infection-associated glomerulonephritis. Nat Rev Nephrol 16:32-50,2020
4)日本腎病理協会,日本腎臓学会腎病理標準化委員会(編):腎生検病理診断取扱い規約.金原出版,pp82-89,2019
5)Kidney Disease : Improving Global Outcomes (KDIGO) Glomerular Diseases Work Group : KDIGO 2021 Clinical Practice Guideline for the Management of Glomerular Diseases. Kidney Int 100:S1-S276,2021
(https://mksap18.acponline.org)(2022年4月1日アクセス)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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