文献詳細
文献概要
臨床検査のピットフォール
蓄尿検体の検査結果に影響する要因
著者: 宮本博康1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属病院中央検査部
ページ範囲:P.750 - P.754
文献購入ページに移動はじめに
尿中の生化学成分注の排泄量を正しく評価するためには,随時尿では採取ごとに濃縮の状態が異なるため24時間蓄尿を実施して1日排泄量として確認するのが基本となる.しかし,蓄尿は細菌の増殖による院内感染の媒体になりうることや,24時間保存することで種々の要因により検査項目の一部で偽陰性/偽陽性が生じる可能性があることなど,問題点も挙げられている.そのため本稿では蓄尿検体を用いて各種検査をする際の蓄尿量や保存による影響についてまとめた.
尿中の生化学成分注の排泄量を正しく評価するためには,随時尿では採取ごとに濃縮の状態が異なるため24時間蓄尿を実施して1日排泄量として確認するのが基本となる.しかし,蓄尿は細菌の増殖による院内感染の媒体になりうることや,24時間保存することで種々の要因により検査項目の一部で偽陰性/偽陽性が生じる可能性があることなど,問題点も挙げられている.そのため本稿では蓄尿検体を用いて各種検査をする際の蓄尿量や保存による影響についてまとめた.
参考文献
1)小川真:蓄尿検査の意義と注意点.検と技 39:48-51,2011
2)折田義正:蓄尿と蓄尿器について.日腎会誌 44:823-824,2002
3)森下芳孝,松本祐之,平井信弘,他:尿中化学成分測定における尿検体取扱法の標準化に関する研究 第1報—前処理法および保存温度について.医学検査 58:381-389,2009
4)森下芳孝:6.尿検体取扱方法と検査データへの影響.日臨検自動化会誌 39:81-89,2014
5)堀内裕次,増渕純一,田中一世,他:新規尿添加剤ユリメジャー・タブレットの生化学検査およびC-ペプチド検査への影響.医学検査 61:1002-1009,2012
-ミクログロブリンの測定.検と技 27:135-141,1999
掲載誌情報