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文献詳細

雑誌文献

検査と技術50巻7号

2022年07月発行

文献概要

臨床医からの質問に答える

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のPCR検査をする際に準備すべき設備などについて教えてください.

著者: 山田景土1

所属機関: 1東邦大学医学部微生物・感染症学講座

ページ範囲:P.760 - P.763

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はじめに

 2019年に発生した新型コロナウイルス(severe acute respiratory syndrome coronavirus 2:SARS-CoV-2)感染症(coronavirus disease 2019:COVID-19)は,その後短期間の間に急速に世界中に拡散し猛威をふるっている.2022年4月11日時点の世界のCOVID-19感染者数は4億9,800万人(うち死亡者数約617万人)であり1),日本においても感染者数はおよそ704万人(うち死亡者約2万8,600人)にのぼる2)

 COVID-19の診断法として,当初より用いられてきたのが,SARS-CoV-2のゲノム RNAを部分的に検出する核酸増幅検査である.そのなかでもRT-PCR(reverse-transcription polymerase chain reaction)は,COVID-19診断法として最初に確立された方法である.今日では,LAMP(loop-mediated isothermal amplification)法やTRC(transcription reverse-transcription concerted reaction)法といったSARS-CoV-2のゲノムRNA検出を目的とした原理の異なる複数の核酸増幅検査が考案され,日常検査の現場で使用されている.それらに加えてSARS-CoV-2抗原定量検査も普及し,検査の選択肢は増えてきている3)

 本稿では,SARS-CoV-2のゲノムRNAの検出を目的とした核酸増幅検査(主にRT-PCR)について,運用する際に準備すべき設備を中心に概説する.

参考文献

1)Johns Hopkins Coronavirus Resource Center:COVID-19 Map(https://coronavirus.jhu.edu/map.html)(2022年4月11日アクセス)
2)厚生労働省:国内の発生状況など(https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kokunainohasseijoukyou.html)(2022年4月11日アクセス)
3)Ishii T, Sasaki M, Yamada K, et al : Immunochromatography and chemiluminescent enzyme immunoassay for COVID-19 diagnosis. J Infect Chemother 27:915-918,2021
4)Shirato K, Nao N, Katano H, et al : Development of Genetic Diagnostic Methods for Detection for Novel Coronavirus 2019 (nCoV-2019) in Japan. Jpn J Infect Dis 73:304-307,2020
5)タカラバイオ株式会社:コンタミネーション防止マニュアル

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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