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文献詳細

雑誌文献

検査と技術51巻1号

2023年01月発行

文献概要

臨床検査のピットフォール

見落としやすい尿沈渣成分—ヘマトイジン結晶

著者: 宿谷賢一1 脇田満2

所属機関: 1順天堂大学医療科学部臨床検査学科 2順天堂大学医学部附属順天堂医院臨床検査部

ページ範囲:P.68 - P.70

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はじめに

 尿沈渣検査で鑑別できる“黄褐色調の針状の結晶”を問われると,多くの人が第一に考えるのは“ビリルビン結晶”である.しかしながら,ビリルビン結晶と同様な形態を呈する結晶として,“ヘマトイジン結晶”がある.このヘマトイジン結晶は,「尿沈渣検査法2010」に記載されていない結晶のため,日常検査において認知度が低い.わが国においては,2005年の日本医学検査学会にて報告1)され,その後,関連学会にて少なからず報告がある.

 本稿ではヘマトイジン結晶の臨床的意義とビリルビン結晶との鑑別について解説する.

参考文献

1)森合美,宿谷賢一,二澤平達雄:泌尿器疾患で認められた尿中黄褐色結晶について.医学検査 54:631,2005
2)田中雅美,宿谷賢一,下澤達雄:尿沈渣中に認められるビリルビン類似結晶.検と技 35:382-383,2007
3)田中雅美,宿谷賢一,三島由祐子,他:頭蓋内出血を示唆するヘマトイジン結晶.医学検査 57:979-981,2008
4)弓狩加恵,吉澤梨津好,影岡武士:髄液,尿,関節液および肝腫瘍穿刺液中にヘマトイジン結晶がみられた各症例.医学検査 60:757-761,2011
5)弓狩加恵,吉澤梨津好:一般検査検体でみられたヘマトイジン結晶とその意義.検と技 40:429-433,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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