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文献詳細

雑誌文献

検査と技術51巻10号

2023年10月発行

文献概要

病気のはなし

再生不良性貧血

著者: 黒川峰夫1

所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科血液・腫瘍病態学

ページ範囲:P.1202 - P.1207

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Point

●再生不良性貧血は骨髄の造血幹細胞が減少し,末梢血の全ての血球が減少する疾患である.

●成人例の多くを占める特発性では,免疫学的機序による造血幹細胞の傷害が主要な原因と考えられている.

●骨髄中の有核細胞の減少(低形成性骨髄),骨髄の脂肪化(脂肪髄),末梢血での汎血球減少と,白血球分画におけるリンパ球比率の上昇(相対的リンパ球増加)が検査上の特徴である.

●治療は免疫抑制療法,トロンボポエチン作動薬,同種造血幹細胞移植,タンパク同化ステロイドなどであり,重症度によって適切なものが選択される.

参考文献

1)特発性造血障害に関する調査研究班再生不良性貧血の診断基準と診療の参照ガイド改訂版作成のためのワーキンググループ.再生不良性貧血診療の参照ガイド 令和1年改訂版. http://zoketsushogaihan.umin.jp/file/2020/02.pdf(2023年8月4日アクセス)
1)山﨑宏人.再生不良性貧血.日医師会誌.2022;151:S189-S191.
2)臼杵憲祐.再生不良性貧血の診断と治療.臨血.2021;62:922-930.
3)細川晃平,中尾眞二.再生不良性貧血.臨血.2019;60:417-422.
4)Nakao S. Diagnosis of immune pathophysiology in patients with bone marrow failure. Int J Hematol. 2023.(online ahead of print)
5)Young NS. Aplastic Anemia. N Engl J Med. 2018; 379: 1643-1656.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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