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文献詳細

雑誌文献

検査と技術51巻10号

2023年10月発行

文献概要

ワンポイントアドバイス

尿沈渣中に不明結晶がみられたときの対応

著者: 新井未来1

所属機関: 1済生会滋賀県病院臨床検査科

ページ範囲:P.1224 - P.1225

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はじめに

 尿沈渣を鏡検していると,さまざまな形状を示す結晶に遭遇します.形態的特徴や溶解試験などから鑑別可能な通常結晶や一部の異常結晶だけでなく,アトラスなどにも掲載されていない結晶(不明結晶)がみられることもあります.なかには薬物結晶と考えられるものもありますが,尿中にみられる薬物結晶は投与された薬物の多くが体内で代謝されてその構造が変化するため,元の薬物とは異なった形状に変化していることが多く1),鑑別・同定することは困難です.しかしながら,尿沈渣中に薬物結晶がみられる場合には薬剤性腎障害の可能性が示唆されることから,主治医への報告が重要となります.

 尿中に不明結晶がみられた場合の対応方法や注意すべき薬剤性腎障害とは何か,また報告方法はどうすればよいのか,筆者の施設での対応を例にお話しします.

参考文献

1)日本臨床衛生検査技師会尿沈渣特集号編集部会.尿沈渣特集 Ⅴ 尿沈渣成分の見方 6 塩類・結晶類.医学検査 2017;66(J-STAGE-1):47-48.
2)薬剤性腎障害の診療ガイドライン作成委員会.薬剤性腎障害診療ガイドライン2016.日腎会誌.2016;58:477-555.
3)大沼健一郎.尿沈渣検査に自信をもつために 塩類・結晶類の見方・考え方.Med Technol.2019:47:1232-1238.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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