文献詳細
病気のはなし
文献概要
Point
●血栓性微小血管症(TMA)とは微小血管における血栓形成によって引き起こされる疾患であり,溶血性貧血,血小板減少,臓器障害を特徴とする.その代表的な疾患として血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)ならびに溶血性尿毒症症候群(HUS)が挙げられる.
●TTPはADAMTS13活性の低下によって貧血,血小板減少,臓器障害(脳,心臓,腎臓など)が引き起こされる疾患である.先天性TTPの治療は血漿輸注であり,症状増悪時もしくは予防的な定期投与を行う.後天性TTPの治療は血漿交換とステロイド療法にカプラシズマブを併用し,治療抵抗性の難治例や早期再発例ではリツキシマブを追加する.
●志賀毒素産生大腸菌(STEC)-HUSは腸管出血性大腸菌感染後に貧血,血小板減少,腎障害が引き起こされる疾患である.その治療は支持療法であり,脱水症に対する補液,高血圧に対する降圧薬投与,急性腎障害に対する透析などを行う.
●非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)は補体制御因子や血管内皮細胞膜タンパクの遺伝子異常により発症することから,補体C5に対するモノクローナル抗体であるエクリズマブやラブリズマブが有効である.
●血栓性微小血管症(TMA)とは微小血管における血栓形成によって引き起こされる疾患であり,溶血性貧血,血小板減少,臓器障害を特徴とする.その代表的な疾患として血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)ならびに溶血性尿毒症症候群(HUS)が挙げられる.
●TTPはADAMTS13活性の低下によって貧血,血小板減少,臓器障害(脳,心臓,腎臓など)が引き起こされる疾患である.先天性TTPの治療は血漿輸注であり,症状増悪時もしくは予防的な定期投与を行う.後天性TTPの治療は血漿交換とステロイド療法にカプラシズマブを併用し,治療抵抗性の難治例や早期再発例ではリツキシマブを追加する.
●志賀毒素産生大腸菌(STEC)-HUSは腸管出血性大腸菌感染後に貧血,血小板減少,腎障害が引き起こされる疾患である.その治療は支持療法であり,脱水症に対する補液,高血圧に対する降圧薬投与,急性腎障害に対する透析などを行う.
●非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)は補体制御因子や血管内皮細胞膜タンパクの遺伝子異常により発症することから,補体C5に対するモノクローナル抗体であるエクリズマブやラブリズマブが有効である.
参考文献
1)松本雅則,他.血栓性血小板減少性紫斑病診療ガイド2023.臨血.2023;64:445-460.
2)Fujimura Y, et al. Natural history of Upshaw-Schulman syndrome based on ADAMTS13 gene analysis in Japan. J Thromb Haemost. 2011; 9(Suppl 1): 283-301.
3)非典型溶血性尿毒症症候群診断基準改訂委員会.非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)診療ガイド2015. https://cdn.jsn.or.jp/guideline/pdf/ahus_2016-2.pdf(2023年9月26日アクセス)
4)Matsumoto M, et al. Acquired idiopathic ADAMTS13 activity deficient thrombotic thrombocytopenic purpura in a population from Japan. PLoS One 2012; 7: e33029.
5)五十嵐隆(総括責任者),溶血性尿毒症症候群の診断・治療ガイドライン作成班(編).溶血性尿毒症症候群の診断・治療ガイドライン.東京医学社,2014.
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