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自動分析装置を用いた抗A/B抗体価測定
著者: 松浦秀哲12
所属機関: 1藤田医科大学医療科学部臨床教育連携ユニット 2藤田医科大学病院輸血部
ページ範囲:P.122 - P.125
文献購入ページに移動ABO血液型抗原は赤血球のみならず,血管内皮細胞や肝臓,脾臓,腎臓などの臓器にも発現している.そのため臨床の現場では,抗A/B抗体が臓器移植後の拒絶反応の原因となることがある.ABO不適合生体腎移植(ABO-incompatible living kidney transplantation:ABOi-LKT)において,高力価の抗A/B抗体価は免疫介在性拒絶の原因となる1).また,抗体除去療法後の抗体価の再上昇は,免疫学的ハイリスク症例の指標とされている2).抗体価およびその変動によって治療法が選択されるため,正確に抗A/B抗体価を測定することは重要である.
現在,最も一般的な抗A/B抗体価の測定法は試験管法である.2倍段階希釈した検体を用いてIgM抗体を検出する室温反応(生理食塩液法)とIgG抗体を検出する間接抗グロブリン試験を実施し,1+の反応強度を示す最大希釈倍率を抗体価とする(図1).IgG抗体の測定を実施するには,被検血漿(血清)をジチオスレイトール(dithiothreitol:DTT)処理することによって,IgMを失活させる必要がある.
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