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増大号 症例から学ぶ 疾患と検査値の推移 2章 血液・造血器疾患
血栓性血小板減少性紫斑病
著者: 森下英理子12 林朋恵3
所属機関: 1金沢大学大学院医薬保健学総合研究科病態検査学 2金沢大学附属病院血液内科 3金沢市立病院血液内科
ページ範囲:P.259 - P.265
文献購入ページに移動●原因不明の血小板減少と微小血管性溶血性貧血(MAHA)を認めた場合,血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)を疑うことが重要である.ADAMTS13活性を測定し,10%未満に著減していればTTPと診断し,抗ADAMTS13自己抗体が陽性であれば後天性TTP,陰性であればUSSを疑う.
●従来はMAHA,血小板減少,腎機能障害,発熱,動揺性精神神経症状の5徴候を示すものをTTPと診断していたが,現在は5徴候全てそろわなくてもTTPを疑う.5徴候のなかでも,血小板減少と溶血性貧血の2徴候が診断に重要である.
●MAHAの検査所見としては,ヘモグロビン(Hb)12g/dL未満の貧血,破砕赤血球の出現,間接ビリルビン,LD,網状赤血球の上昇,ハプトグロビン(Hp)の著減,直接クームス(Coombs)試験陰性を認める.
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