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新しいβラクタマーゼ阻害剤
著者: 西村翔1
所属機関: 1兵庫県立はりま姫路総合医療センター感染症内科
ページ範囲:P.476 - P.478
文献購入ページに移動はじめに
わが国で利用できる既存のβラクタマーゼ阻害剤はスルバクタム,クラブラン酸,タゾバクタムのいずれかである.これらのβラクタマーゼ阻害剤はβラクタム系抗菌薬との合剤として販売されており,この合剤としての活性は,①βラクタム系抗菌薬の活性と,②βラクタマーゼ阻害薬剤のβラクタマーゼ阻害効果によって決定される.
βラクタマーゼの産生が問題となるのは主にはグラム陰性桿菌であり,既存のアンピシリン・スルバクタム,アモキシシリン・クラブラン酸(日本では経口製剤のみ),セフォペラゾン・スルバクタム,ピペラシリン・タゾバクタムはいずれも,カルバペネマーゼ産生菌に対する活性はなく,ESBL(extended-spectrum β-lactamase)やAmpCなどの広域βラクタマーゼを産生する腸内細菌目細菌やカルバペネマーゼ非依存性にカルバペネム耐性を示す緑膿菌に対しても安定した活性は期待できない.そこで登場したのが新規のβラクタマーゼ阻害剤の合剤であるセフトロザン・タゾバクタムおよびイミペネム・シラスタチン・レレバクタム(以下,イミペネム・レレバクタム)である.以下ではこれらの2剤の特性を既存薬と比較するかたちで解説する.
わが国で利用できる既存のβラクタマーゼ阻害剤はスルバクタム,クラブラン酸,タゾバクタムのいずれかである.これらのβラクタマーゼ阻害剤はβラクタム系抗菌薬との合剤として販売されており,この合剤としての活性は,①βラクタム系抗菌薬の活性と,②βラクタマーゼ阻害薬剤のβラクタマーゼ阻害効果によって決定される.
βラクタマーゼの産生が問題となるのは主にはグラム陰性桿菌であり,既存のアンピシリン・スルバクタム,アモキシシリン・クラブラン酸(日本では経口製剤のみ),セフォペラゾン・スルバクタム,ピペラシリン・タゾバクタムはいずれも,カルバペネマーゼ産生菌に対する活性はなく,ESBL(extended-spectrum β-lactamase)やAmpCなどの広域βラクタマーゼを産生する腸内細菌目細菌やカルバペネマーゼ非依存性にカルバペネム耐性を示す緑膿菌に対しても安定した活性は期待できない.そこで登場したのが新規のβラクタマーゼ阻害剤の合剤であるセフトロザン・タゾバクタムおよびイミペネム・シラスタチン・レレバクタム(以下,イミペネム・レレバクタム)である.以下ではこれらの2剤の特性を既存薬と比較するかたちで解説する.
参考文献
1)Pogue JM, Kaye KS, Veve MP, et al : Ceftolozane/tazobactam vs polymyxin or aminoglycoside-based regimens for the treatment of drug-resistant Pseudomonas aeruginosa. Clin Infect Dis 71:304-310,2020
2)Motsch J, Murta de Oliveira C, Stus V, et al : RESTORE-IMI 1 : a multicenter, randomized, double-blind trial comparing efficacy and safety of imipenem/relebactam vs colistin plus imipenem in patients with imipenem-nonsusceptible bacterial infections. Clin Infect Dis 70:1799-1808,2020
の使いドコロ.J-IDEO 3:582-593,2019
の使いドコロ.J-IDEO 6:97-107,2022
5)Gomis-Font MA, Cabot G, López-Argüello S, et al : Comparative analysis of in vitro dynamics and mechanisms of ceftolozane/tazobactam and imipenem/relebactam resistance development in Pseudomonas aeruginosa XDR high-risk clones. J Antimicrob Chemother 77:957-968,2022
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