文献詳細
文献概要
疾患と検査値の推移
気分障害:単極性うつ病,双極性障害(躁うつ病)
著者: 逸見竜次1 小曽根基裕1
所属機関: 1久留米大学神経精神医学講座
ページ範囲:P.486 - P.492
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●気分障害とは,気分や感情,または活動性の低下などの症状を認める精神疾患の総称である.単極性うつ病や双極性障害(躁うつ病)はこの気分障害に分類され,患者数は年々増加傾向にある.
●気分障害において,診断の確定や症状の推移に関連する有用な生物学的マーカーは現時点では確立されていない.
●身体疾患や薬剤を起因として発症することがあり,その鑑別診断のために必要な検査が行われ,使用されている薬剤の全てを確認することが重要である.
●治療に用いられる抗うつ薬,抗精神病薬,気分安定薬により身体的な副作用を生じることがあるため,血液生化学検査や心電図は随時実施される.
●気分障害とは,気分や感情,または活動性の低下などの症状を認める精神疾患の総称である.単極性うつ病や双極性障害(躁うつ病)はこの気分障害に分類され,患者数は年々増加傾向にある.
●気分障害において,診断の確定や症状の推移に関連する有用な生物学的マーカーは現時点では確立されていない.
●身体疾患や薬剤を起因として発症することがあり,その鑑別診断のために必要な検査が行われ,使用されている薬剤の全てを確認することが重要である.
●治療に用いられる抗うつ薬,抗精神病薬,気分安定薬により身体的な副作用を生じることがあるため,血液生化学検査や心電図は随時実施される.
参考文献
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