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技術講座 微生物
抗酸性染色
著者: 池町真実1
所属機関: 1神戸市立西神戸医療センター臨床検査技術部
ページ範囲:P.530 - P.537
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●抗酸菌はGram陽性桿菌に分類されるが,細胞壁にミコール酸を有するためGram染色に難染色性を示す.
●抗酸性染色はミコール酸の存在によりアルコールで脱色されにくい.
●Ziehl-Neelsen染色や蛍光法はMycobacterium spp.の検出に用いられ,Kinyoun染色はNocardia spp.などの弱抗酸性をもつ菌に用いる.
●脱色液はZiehl-Neelsen染色では塩酸アルコール,Kinyoun染色では硫酸アルコールを用いる.Nocardia spp.を塩酸アルコールで脱色すると過脱色となり,陽性には染まらない.
●抗酸菌はGram陽性桿菌に分類されるが,細胞壁にミコール酸を有するためGram染色に難染色性を示す.
●抗酸性染色はミコール酸の存在によりアルコールで脱色されにくい.
●Ziehl-Neelsen染色や蛍光法はMycobacterium spp.の検出に用いられ,Kinyoun染色はNocardia spp.などの弱抗酸性をもつ菌に用いる.
●脱色液はZiehl-Neelsen染色では塩酸アルコール,Kinyoun染色では硫酸アルコールを用いる.Nocardia spp.を塩酸アルコールで脱色すると過脱色となり,陽性には染まらない.
参考文献
1)Vincent AT, Nyongesa S, Morneau I, et al : The Mycobacterial Cell Envelope : A Relict From the Past or the Result of Recent Evolution? Front Microbiol 9:2341,2018
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8)五十嵐ゆり子,近松絹代,青野昭男,他:臨床検体における改良型アクリジンオレンジ蛍光染色液の抗酸菌染色性評価及び抗酸菌基準株に対する染色像の比較.日臨微生物会誌 29:12-16,2019
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