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福島県「県民健康調査」甲状腺検査における甲状腺超音波検査の役割
著者: 志村浩己1
所属機関: 1福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター
ページ範囲:P.570 - P.572
文献購入ページに移動2011年3月11日に発生した東日本大震災と引き続いて発生した津波は,東京電力福島第一原子力発電所事故を引き起こし,その結果,福島県を中心に放射性物質が飛散した.1986年のチョルノービリ原子力発電所事故では,放射性ヨウ素を含む食品の摂取による甲状腺の内部被曝により,事故当時小児だった住民に甲状腺癌が誘発されたことから,放射線被曝による健康被害が憂慮された.そのため,福島県と福島県立医科大学(以下,当学)は県民健康調査を開始し1),その詳細調査の1つとして,2011年10月から甲状腺検査が開始された2).
本調査は,震災時点において福島県に在住していた18歳以下の全県民を対象として,20歳を超えるまでは2年ごと,それ以降は5年ごとに実施されている.本検査における超音波検査においては,多くの臨床検査技師の皆さんの果たす役割は極めて大きく,本稿において,本検査における甲状腺超音波検査の役割について概説する.
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