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文献詳細

雑誌文献

検査と技術51巻5号

2023年05月発行

文献概要

臨床医からの質問に答える

尿混濁の原因には何がありますか?

著者: 金沢聖美1

所属機関: 1東北大学病院診療技術部検査部門

ページ範囲:P.594 - P.598

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はじめに

 尿の成分はほとんどが水分であり,尿素,クレアチニン,尿酸などが数%含まれており,通常有形成分は含まれず淡黄色で透明である.尿の混濁は有形成分の増加によって生じており,主にその成分は①塩類・結晶類,②血球,上皮などの細胞系成分,③外来混入物に由来する.排尿直後から混濁を示すものや,放置によって混濁が増強するものなど多様である.特に病的混濁の場合は,尿の外観色調により内容物を推測し,尿沈渣検査により原因を把握することが可能となる.図1のように尿の外観色調は疾患によって異なり,スクリーニング検査として大まかな疾患鑑別の推測に役立つことから,検査前の混濁の有無の確認は必須であり重要な推測検査となる.

参考文献

1)吉永治代,山口悠樹,水本安岐子,他:乳び尿を呈した同一患者の継続的な検尿から得られた知見.医学検査 68:769-775,2019
1)日本臨床衛生検査技師会尿沈渣検査法編集委員会(編):尿沈渣検査法2000.日本臨床衛生検査技師会,2000
2)日本臨床衛生検査技師会(監):一般検査技術教本.丸善出版,2012
3)安本博晃:尿の物理的検査—色調,尿量,尿比重,尿浸透圧,pH.綜合臨 58:1212-1216,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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