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薬剤性間質性肺疾患—分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬における作用機序
著者: 野口陽一朗1 近藤康博1
所属機関: 1公立陶生病院呼吸器・アレルギー疾患内科
ページ範囲:P.638 - P.640
文献購入ページに移動がん治療において,分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬と呼ばれる薬が近年広く使用されるようになっている.従来の抗がん薬はいわゆる殺細胞性抗がん薬と呼ばれるもので,がん細胞だけを特異的に攻撃するという薬剤ではなく,全身に障害を与えるものであった.このため,従来の抗がん薬の副作用は一般的に強く,患者の負担は大きかった.そこで,分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬が注目されるようになった.
がん治療における分子標的薬とは,がん細胞のもつ特異的なタンパクなどの分子だけを標的として攻撃するように作られた薬剤である.悪性リンパ腫ではCD20,肺癌では上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor:EGFR)などというように,特異的な分子だけを狙って攻撃することができる薬剤が実際に使用されている.がんの細胞に特異的な分子を狙っているので,ヒトの体の正常な部分には作用が少ないとされていて,従来の抗がん薬よりも患者の受ける負担が小さいというのがその特徴である.
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