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文献詳細

雑誌文献

検査と技術51巻6号

2023年06月発行

文献概要

FOCUS

薬剤性間質性肺疾患—分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬における作用機序

著者: 野口陽一朗1 近藤康博1

所属機関: 1公立陶生病院呼吸器・アレルギー疾患内科

ページ範囲:P.638 - P.640

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がん治療における分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬

 がん治療において,分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬と呼ばれる薬が近年広く使用されるようになっている.従来の抗がん薬はいわゆる殺細胞性抗がん薬と呼ばれるもので,がん細胞だけを特異的に攻撃するという薬剤ではなく,全身に障害を与えるものであった.このため,従来の抗がん薬の副作用は一般的に強く,患者の負担は大きかった.そこで,分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬が注目されるようになった.

 がん治療における分子標的薬とは,がん細胞のもつ特異的なタンパクなどの分子だけを標的として攻撃するように作られた薬剤である.悪性リンパ腫ではCD20,肺癌では上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor:EGFR)などというように,特異的な分子だけを狙って攻撃することができる薬剤が実際に使用されている.がんの細胞に特異的な分子を狙っているので,ヒトの体の正常な部分には作用が少ないとされていて,従来の抗がん薬よりも患者の受ける負担が小さいというのがその特徴である.

参考文献

1)日本呼吸器学会びまん性肺疾患診断・治療ガイドライン作成委員会(編).特発性間質性肺炎 診断と治療の手引き2022 改訂第4版.南江堂,2022.
2)日本呼吸器学会薬剤性肺障害の診断・治療の手引き第2版作成委員会(編).薬剤性肺障害の診断・治療の手引き 第2版 2018.メディカルレビュー社,2018.
3)伊藤善規,他.薬剤性肺障害.日薬理誌.2006;127:425-432.
4)厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課.オシメルチニブメシル酸塩製剤の使用成績調査の中間報告の結果について.薬生安発0124第1号・薬生安発0124第2号,2018.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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