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病気のはなし
食中毒
著者: 小西典子1 甲斐明美2
所属機関: 1東京都健康安全研究センター微生物部 2日本食品衛生協会食品衛生研究所微生物試験部
ページ範囲:P.646 - P.657
文献購入ページに移動●2001年以前には腸炎ビブリオやサルモネラ属菌による食中毒が多発したが,最近ではこれらの食中毒は激減した.一方,2004年以降ではノロウイルスやカンピロバクターによる食中毒が主体を占めている.患者数ではノロウイルスによる食中毒が最も多い状況は続いている.
●2018年以降には寄生虫(アニサキス)食中毒が最も多い.これは2012年にアニサキスが食中毒の病因物質に追加されたことを契機に,報告体制が整ってきたことが大きく関係している.
●食中毒の主な原因食品は,サルモネラ食中毒では鶏卵から鶏肉が主体に移り,腸管出血性大腸菌(EHEC)食中毒では牛肉およびその内臓肉のみならず,野菜やその加工品が原因となった事例も発生している.
●最近,astA遺伝子保有大腸菌による集団下痢症が発生し,注目されている.
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