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脳出血検体に,なぜアミロイド染色が必要なのですか?
著者: 藤田大貴1
所属機関: 1東海大学医学部付属八王子病院臨床検査技術科病理検査室
ページ範囲:P.670 - P.671
文献購入ページに移動Q 脳出血検体に,なぜアミロイド染色が必要なのですか?
A 脳出血の1つである皮質下出血を引き起こす原因には高血圧や外傷など複数ありますが,特に高齢者に多い原因の1つにアミロイドアンギオパチー(アミロイド血管症)が知られています.アミロイドアンギオパチーは加齢とともに増加する傾向にあり,脳血管性認知症やアルツハイマー病を合併していることもしばしばあります.病態としては,大脳の脳表近くを走行する小動脈や中動脈を中心にアミロイドβタンパクが沈着していきます.アミロイドβタンパクの沈着は初期には中膜の平滑筋細胞外に文節状に発生し,進行とともに中膜や外膜に全周性に起こります.アミロイドβタンパクは不溶性なので蓄積してくると,血管の壁が肥厚して血流が悪くなります.このような血管障害が起こると同時に,主に血管の壁がもろくなり破綻することによって出血してしまうことがあります.
A 脳出血の1つである皮質下出血を引き起こす原因には高血圧や外傷など複数ありますが,特に高齢者に多い原因の1つにアミロイドアンギオパチー(アミロイド血管症)が知られています.アミロイドアンギオパチーは加齢とともに増加する傾向にあり,脳血管性認知症やアルツハイマー病を合併していることもしばしばあります.病態としては,大脳の脳表近くを走行する小動脈や中動脈を中心にアミロイドβタンパクが沈着していきます.アミロイドβタンパクの沈着は初期には中膜の平滑筋細胞外に文節状に発生し,進行とともに中膜や外膜に全周性に起こります.アミロイドβタンパクは不溶性なので蓄積してくると,血管の壁が肥厚して血流が悪くなります.このような血管障害が起こると同時に,主に血管の壁がもろくなり破綻することによって出血してしまうことがあります.
参考文献
1)深山正久,森永正二郎(編).外科病理学 第5版.文光堂,2020.
2)坂井健二,山田正仁.脳アミロイドアンギオパチーの臨床像と治療法.医のあゆみ.2016;258:703-709.
3)吉田眞理.脳アミロイドアンギオパチー.病理と臨.2019;37(臨時増刊):23-25.
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