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文献詳細

雑誌文献

検査と技術51巻6号

2023年06月発行

文献概要

臨床医からの質問に答える

LAHPSってなんですか?

著者: 森下英理子1

所属機関: 1金沢大学医薬保健研究域保健学系病態検査学

ページ範囲:P.674 - P.678

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LAHPS

■定義

 ループスアンチコアグラント(lupus anticoagulant:LA)陽性者にプロトロンビン〔血液凝固第Ⅱ因子(FⅡ)〕に対する自己抗体が生じ,後天性にFⅡ活性が低下した病態をLA陽性低プロトロンビン血症症候群(lupus anticoagulant-hypoprothrombinemia syndrome:LAHPS)と呼ぶ.LAはリン脂質とリン脂質結合タンパク複合体に対する自己抗体であるが,LAが存在すると抗リン脂質抗体症候群(antiphospholipid syndrome:APS)のように血栓症や産科合併症のリスクが高まることがよく知られている.一方,LAHPSは1960年にRapaportらによって最初に報告1)されたように,生命を脅かす重度の出血と血栓症の両方を引き起こすという点で大きく異なる.

参考文献

1)Rapaport SI, et al. A plasma coagulation defect in systemic lupus erythematosus arising from hypoprothrombinemia combined with antiprothrombinase activity. Blood 1960; 15: 212-227.
2)Mazodier K, et al. Lupus anticoagulant-hypoprothrombinemia syndrome: report of 8 cases and review of the literature. Medicine (Baltimore) 2012; 91: 251-260.
3)Ieko M, et al. Lupus anticoagulant-hypoprothrombinemia syndrome and similar diseases: experiences at a single center in Japan. Int J Hematol. 2019; 110: 197-204.
4)家子正裕,他.自己免疫性凝固第Ⅱ因子欠乏症とその類縁病態—LAHPSを中心に.Thromb Med.2022;12:320-325.
5)森下英理子,他.出血傾向を呈した一過性のループスアンチコアグラント陽性の一例.内科医会誌.1999;11:417-421.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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