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文献詳細

雑誌文献

検査と技術51巻7号

2023年07月発行

文献概要

技術講座 血液

クロスミキシング試験

著者: 内藤澄悦1

所属機関: 1北海道医療大学病院臨床検査部

ページ範囲:P.728 - P.734

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Point

●クロスミキシング試験は,凝固時間延長の原因検索に有用な検査法で,凝固因子欠損と凝固因子インヒビターやLAの鑑別が可能である.

●血漿検体の調整では,特に残存血小板数に注意する.

●測定試薬の特性を理解して用いる.特にLA症例では,その感受性の差異が影響する.

●即時反応では,凝固因子欠損やインヒビターは患者血漿比率50%が,LAでは10〜20%のサンプルが検出に有用である.

●即時反応と遅延反応(37℃,2時間)の両方を測定する.凝固因子インヒビターではインキュベーションが必要である.

●現時点では視覚判定が望ましい.視覚判定に苦慮する場合には,ICAなどの定量化指標も,判定の補助としての活用が期待されている.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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