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文献詳細

雑誌文献

検査と技術51巻9号

2023年09月発行

文献概要

増大号 匠から学ぶ 血栓止血検査ガイド 2章 検査前プロセス

高ヘマトクリット(Ht)患者への対応

著者: 家子正裕1

所属機関: 1札幌保健医療大学保健医療学部看護学科

ページ範囲:P.929 - P.931

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はじめに

 出血症や血栓性疾患は時に致死的である.止血機能検査は,これら疾患の診断および治療効果判定に用いられる.そのため,正確な検査結果が求められるが,止血機能検査,特に凝固時間検査にはさまざまなピットフォールが存在する.採血方法,サンプルの保存条件,遠心分離処理方法などさまざまあるが,患者自身の状態も1つのピットフォールになる場合がある.凝固時間検査に影響する薬剤が投与されている場合や多血症患者のようにヘマトクリット(Ht)値が高い場合である.特に,高Ht患者の凝固時間検査には注意を要する.日本検査血液学会標準化委員会の「凝固検査検体取扱い関するコンセンサス」1)には,「患者のヘマトクリット値(Ht)が55%以上の場合はクエン酸ナトリウム溶液量を調整する」とある.

 本稿では,高Ht患者における見かけ上の凝固時間検査異常の原因とその対策法について解説する.

参考文献

1)家子正裕,他.凝固検査検体取扱いに関するコンセンサス.日検血会誌.2016;17:149-168.
2)Clinical and Laboratory Standards Institute. Collection, Transport, and Processing of Blood Specimens for Testing Plasma-Based Coagulation Assays and Molecular Hemostasis Assays; Approved Guideline—Fifth Edition. CSLI Document H21-A5. CLSI, 2008.
3)松田雅子,他.血液凝固検査における採血量の変化.医学検査 2001;50:841-844.
4)渡邊卓(編).標準採血法ガイドライン(GP4-A2).日本臨床検査標準協議会,2011:pp.19-27.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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