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増大号 匠から学ぶ 血栓止血検査ガイド 3章 検査プロセス
出血時間
著者: 野村昌作1
所属機関: 1関西医科大学総合医療センター血栓止血センター
ページ範囲:P.942 - P.945
文献購入ページに移動出血時間とは,止血機能に関与する血小板の異常や血管壁の状態を調べるために,皮膚にメスで創傷を作り,そこから湧出する血液が自然に止血するまでの時間を測定する検査のことである1,2).この検査は一次止血を反映し,多くの検査室で用いられている.メカニズムとしては,血漿中のフォン・ヴィレブランド因子(von Willebrand factor:VWF)を介する血小板の内皮下組織への粘着による凝集塊形成および血管壁の反射的収縮の関与が考えられている.病的には血管異常および血小板凝集能異常で延長するとされ,手術前のスクリーニング検査や出血傾向の患者に対する検査として利用されている.
古くから用いられている検査法であり,手技も簡易で有用であると評価されている一方,手技が正確性に乏しく臨床的有用性が低いと否定的な意見もまれではない.
本稿では,出血時間の測定方法と臨床における意義や問題点などについて解説したい.
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