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文献詳細

雑誌文献

検査と技術51巻9号

2023年09月発行

文献概要

増大号 匠から学ぶ 血栓止血検査ガイド 3章 検査プロセス

クロスミキシング試験

著者: 天野景裕1

所属機関: 1東京医科大学臨床検査医学分野

ページ範囲:P.961 - P.964

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クロスミキシング試験

 クロスミキシング試験とは,被検血漿に正常血漿を各種比率で混合し,活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time:APTT)やプロトロンビン時間(prothrombin time:PT)を測定する検査である.正常血漿との混合比率は特に決められたものはないが,東京医科大学病院(以下,当院)では正常血漿の割合が0%,10%,20%,50%,80%,90%,100%の7点での測定を施行している.最近の血液凝固検査機器には自動多点希釈機能が備わっている機種があるので,混合直後に測定するものは上記のように設定し自動化が可能である.この混合直後の反応を“即時反応”と呼ぶ.それ以外に,混合後37℃で2時間インキュベーションし,十分に時間をかけて反応させたものも測定する必要がある.これを“遅延反応”と呼ぶ.当院では正常血漿が0%,50%,100%の3点のみ検体を作製して,37℃2時間インキュベーション後にAPTTやPTを測定している.

参考文献

1)天野景裕.後天性血友病Aに関する凝血学的検査の注意点.臨病理.2009;57:999-1003.
2)田中一郎,他.わが国における後天性凝固因子インヒビターの実態に関する3年間の継続調査—予後因子に関する検討.日血栓止血会誌 2008;19:140-153.
3)家子正裕.クロスミキシング試験を臨床に活かすには.医療と検機器・試薬.2012;35:867-872.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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