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増大号 匠から学ぶ 血栓止血検査ガイド 3章 検査プロセス
TAT
著者: 朝倉英策1
所属機関: 1金沢大学附属病院血液内科
ページ範囲:P.989 - P.992
文献購入ページに移動トロンビンとその代表的な阻害因子であるアンチトロンビン(antithrombin:AT)が1:1で結合した複合体が,トロンビン-アンチトロンビン複合体(thrombin-antithrombin complex:TAT)である(図1,2).TATは酵素免疫測定法,化学発光酵素免疫測定法,ラテックス免疫比濁法などによる測定が可能であり,数種類の試薬が存在する.例えば,トロンビンおよびアンチトロンビンに対する2種類の抗体を使用したサンドイッチELISA(enzyme-linked immunosorbent assay)法や,TATが形成されることで新しく出現する抗原を認識する抗体を用いたラテックス免疫比濁法などがある.
TATを測定することで,凝固活性化の程度を間接的に評価することができる.トロンビンは血中半減期が極めて短いため,直接測定することはできないが,TATの血中半減期は3〜15分程度あるため,測定が可能となる.
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