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文献詳細

雑誌文献

検査と技術51巻9号

2023年09月発行

文献概要

増大号 匠から学ぶ 血栓止血検査ガイド 3章 検査プロセス

TAT

著者: 朝倉英策1

所属機関: 1金沢大学附属病院血液内科

ページ範囲:P.989 - P.992

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測定原理

 トロンビンとその代表的な阻害因子であるアンチトロンビン(antithrombin:AT)が1:1で結合した複合体が,トロンビン-アンチトロンビン複合体(thrombin-antithrombin complex:TAT)である(図1,2).TATは酵素免疫測定法,化学発光酵素免疫測定法,ラテックス免疫比濁法などによる測定が可能であり,数種類の試薬が存在する.例えば,トロンビンおよびアンチトロンビンに対する2種類の抗体を使用したサンドイッチELISA(enzyme-linked immunosorbent assay)法や,TATが形成されることで新しく出現する抗原を認識する抗体を用いたラテックス免疫比濁法などがある.

 TATを測定することで,凝固活性化の程度を間接的に評価することができる.トロンビンは血中半減期が極めて短いため,直接測定することはできないが,TATの血中半減期は3〜15分程度あるため,測定が可能となる.

参考文献

1)Asakura H. Classifying types of disseminated intravascular coagulation: clinical and animal models. J Intensive Care. 2014; 2: 20.
.臨床に直結する血栓止血学 改訂2版.中外医学社,2018:pp.88-90.
3)Asakura H, et al. Proposal for new diagnostic criteria for DIC from the Japanese Society on Thrombosis and Hemostasis. Thromb J. 2016; 14: 42.
4)日本血栓止血学会DIC診断基準作成委員会.日本血栓止血学会DIC診断基準 2017年版. https://www.jsth.org/wordpress/guideline/dic%E8%A8%BA%E6%96%AD%E5%9F%BA%E6%BA%962017%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E7%89%88/(2023年6月15日アクセス)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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