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文献詳細

雑誌文献

検査と技術51巻9号

2023年09月発行

文献概要

増大号 匠から学ぶ 血栓止血検査ガイド 3章 検査プロセス

VWF抗原/VWF活性/VWFマルチマー解析

著者: 岡本修一1

所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科総合保健学専攻オミックス医療科学

ページ範囲:P.1001 - P.1004

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はじめに

 フォン・ヴィレブランド因子(von Willebrand factor:VWF)は,血管損傷部位における血小板の粘着・凝集,流血中の凝固第Ⅷ因子(factor Ⅷ:FⅧ)の安定化作用を有する糖タンパク質である.VWFの約80%は血管内皮細胞,残りが巨核球から産生・分泌され,血中では分子量500〜20,000kDaからなるマルチマーを形成する.VWFサブユニットのドメイン構造は,FⅧ,血小板表面膜糖タンパク質(glycoprotein:GP),コラーゲンなどとの結合部位となって止血機能を発揮する.出血症状を有し,プロトロンビン時間(prothrombin time:PT)とフィブリノゲンが正常,かつ活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time:APTT)の延長をきたした場合には,フォン・ヴィレブランド病(von Willebrand disease:VWD)や後天性フォン・ヴィレブランド症候群(acquired von Willebrand syndrome:AVWS)に代表される,VWFの量的・質的異常を鑑別する必要がある.そのための検査として,本稿ではVWF抗原量,VWF活性値,VWFマルチマー解析を取り上げる1,2)

参考文献

1)von Willebrand病の診療ガイドライン作成委員会.von Willebrand病の診療ガイドライン 2021年版.日血栓止血会誌.2021;32:413-481.
2)松下正.von Willebrand病の診断と治療.日内会誌.2019;107:1844-1851.
3)金井正光(監),奥村伸生,他(編).臨床検査法提要 改訂第35版.金原出版,2020.
4)鈴木敦夫.凝固因子活性およびvon Willebrand因子測定の現状と課題.日検血会誌.2023;24:1-6.
5)Stockschlaeder M, et al. Update on von Willebrand factor multimers: focus on high-molecular-weight multimers and their role in hemostasis. Blood Coagul Fibrinolysis. 2014; 25: 206-216.
6)Fischer BE, et al. Triplet structure of human von Willebrand factor. Biochem J. 1998; 331: 483-488.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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