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増大号 匠から学ぶ 血栓止血検査ガイド 4章 検査後プロセス
APTTによるヘパリンモニタリングとしての役割
著者: 藤森祐多1
所属機関: 1慶應義塾大学病院臨床検査技術室
ページ範囲:P.1034 - P.1037
文献購入ページに移動ヘパリンは1916年に医学生だったJay Mcleanによりイヌの肝臓および心臓から発見された抗凝固物質である1).その発見から100年以上が経った現在も抗凝固療法を目的に日常臨床で広く使用されている抗凝固薬である.現在臨床で用いられるヘパリンはイヌ由来ではなく,ブタの小腸粘膜由来のヘパリンである.ヘパリンは単一の分子ではなく,分子量3,000〜35,000の酸性ムコ多糖であり,未分画ヘパリンと呼ばれる2).
1990年代に未分画ヘパリンから化学的あるいは酵素によって解重合することで得られる低分子量ヘパリンが開発された1).低分子量ヘパリンは未分画ヘパリンと同様に抗凝固薬として日常臨床で使用されているが,出血リスクがより低いとされている2).さらに,ヘパリンの最小単位のペンタサッカライドであるフォンダパリヌクスが開発され,抗凝固薬としての有効性が確認されている.各薬剤の特徴を表1にまとめた.
なお,本稿における“ヘパリン”とは,未分画ヘパリンのことを示す.
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