文献詳細
文献概要
増大号 匠から学ぶ 血栓止血検査ガイド 5章 疾患まとめ
敗血症とDIC
著者: 和田英夫1 市川由布子2
所属機関: 1三重県立総合医療センター/大学院連携講座 2三重県立総合医療センター中央検査部
ページ範囲:P.1097 - P.1100
文献購入ページに移動国際血栓止血学会(International Society on Thrombosis and Haemostasis:ISTH)は,播種性血管内凝固(disseminated intravascular coagulation:DIC)を“さまざまな原因によって引き起こされる広範な血管内の凝固活性化を特徴とする後天的な症候群であり,微小血栓は最小血管で生じるとともに,これに障害を与え,極めて重症になると機能障害をきたすこともある”と定義し,“DICはフィブリン関連産物(fibrin related products:FRMs)〔可溶性フィブリン(soluble fibrin:SF),フィブリン/フィブリノゲン分解産物(fibrin/fibrinogen degradation products:FDP),Dダイマーなど〕の生成と,これを反映した細小血管の後天的(炎症性)あるいは非炎症性障害を特徴とする疾患である”との概念を示した.また,以前の敗血症の定義は“全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome:SIRS)を呈する感染症”であったが,現在では“臓器障害を呈する感染症”に変わった.したがって,現在の敗血症の概念は,“フィブリン分解産物が増加する,細小血管の炎症性障害を特徴とする臓器障害を伴う感染症”である1).
参考文献
掲載誌情報