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増大号 匠から学ぶ 血栓止血検査ガイド 5章 疾患まとめ
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
著者: 宮川義隆1
所属機関: 1埼玉医科大学病院血液内科
ページ範囲:P.1116 - P.1120
文献購入ページに移動血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura:TTP)は,急性かつ致死的な血液疾患であり,国の指定難病である1).全身の微小血管内に血小板血栓が形成され,多臓器が障害される.原因不明の溶血性貧血と血小板減少がみられる患者は,血栓性微小血管症(thrombotic microangiopathy:TMA)を疑う(図1).このうち,志賀毒素(ベロ毒素)を産生する病原性大腸菌感染による溶血性尿毒症症候群(hemolytic uremic syndrome:HUS)は,発熱,血性下痢を伴う急性大腸炎と急性腎障害を特徴とする.発熱,動揺性精神神経症状を示し,腎障害が軽いTMAはTTPを疑う1).なお,TMAには補体経路の異常活性化で発症する非典型溶血性尿毒症症候群(補体介在性TMA)も含まれる(図1).
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