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Bence Jones protein(BJP)の検査—温故知新
著者: 井本真由美1
所属機関: 1近畿大学病院中央臨床検査部
ページ範囲:P.4 - P.10
文献購入ページに移動●BJPは,モノクローナルな免疫グロブリンのL鎖であり,多発性骨髄腫や原発性マクログロブリン血症の約60%に出現する.
●BJPの分子量は22000〜45000(単量体もしくは二量体)と小さいため,血液中に存在しても容易に腎糸球体で濾過されて尿中に排出され,尿タンパクとして検出される.
●BJPの検出は,タンパク分画泳動法(血清,尿),免疫電気泳動法(免疫固定法)(血清,尿),血清遊離軽鎖(FLC)定量およびκ/λ比で行う.スクリーニング法として,尿タンパク試験紙の反応や,尿BJPの熱凝固反応性を利用したPutnam法がある.
●尿BJPはかつて,尿タンパク試験紙には反応しない(反応し難い)とされていたが,筆者らの検証により,特殊な場合以外は反応することが確認された.
●尿BJPの熱凝固反応性を利用したPutnam法の検出感度は10〜20mg/dLである.
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