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文献詳細

雑誌文献

検査と技術52巻1号

2024年01月発行

文献概要

臨床検査のピットフォール

HbA1c測定とデータ解釈のピットフォール

著者: 佐藤麻子1

所属機関: 1東京女子医科大学臨床検査科

ページ範囲:P.62 - P.64

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はじめに

 糖尿病は慢性疾患であり,長期にわたり血糖値を良好に保つ必要がある.しかし,血糖値は食事の種類や量,そして活動量の影響下で,刻々と変化している.このため,血糖値のみではなく,ある程度長期間の平均血糖値を反映する指標が必要である.その1つであるHbA1c(hemoglobin A1c)は,赤血球中のヘモグロビンが,血中を循環しているあいだにグルコースと非酵素的に結合した糖化タンパクである.HbA1c値は,過去約2カ月の血糖コントロールの指標として,臨床上汎用されている.

 本稿では,HbA1c測定とその値の解釈において,落とし穴に落ちないための注意点について述べる.

参考文献

1)桑克彦,他.遠心処理後に測定するHbA1c測定法での採血管の取扱い(EDTA入り採血管の推奨)について.糖尿病 2021;64:336-339.
2)宮下徹夫,他.遠沈後の赤血球層を試料とするHbA1c測定における溶血の影響.日臨検自動化会誌.2014;39:328-334.
3)Gerstein HC, et al. Effects of intensive glucose lowering in type 2 diabetes. N Engl J Med. 2008; 358: 2545-2559.
4)高齢者糖尿病の治療向上のための日本糖尿病学会と日本老年医学会の合同委員会.高齢者糖尿病の血糖コントロール目標について.2016年5月20日.http://www.jds.or.jp/modules/important/index.php?content_id=66(2023年10月11日アクセス)
5)日本糖尿病学会(編著).糖尿病治療ガイド 2022-2023.文光堂,2022:p.15.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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