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臨床医からの質問に答える
下肢静脈エコー,この血栓は飛びそうですか?
著者: 船水康陽1
所属機関: 1東北大学病院診療技術部臨床検査部門生理検査センター
ページ範囲:P.68 - P.71
文献購入ページに移動肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism:PTE)と深部静脈血栓症(deep vein thrombosis:DVT)は一連の病態であることから,静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism:VTE)と総称されます.肺動脈が血栓塞栓子により閉塞する疾患がPTEであり,その塞栓源の約90%は下肢あるいは骨盤内の静脈で形成された血栓です1).つまり,DVTはPTEの大きなリスクファクターです.
下肢の深部静脈で大きな血栓が形成され,遊離して塞栓化した場合,肺血管床の閉塞具合によりショック状態や突然死に至る可能性があります.また,下肢に血栓が残存している場合,引き続いての血栓遊離によりさらなるPTEが生じる可能性があります.診療ではこれらに注意が必要なため検査室に依頼医師より問い合わせがくることがあります.
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