文献詳細
FOCUS
文献概要
はじめに
現在,わが国では3〜4人に1人が65歳以上の高齢者であり,今後も高齢化率の上昇傾向が見込まれる.こうした超高齢社会においては,病院への通院診療だけではなく,在宅診療の重要性が高まっている.特に,慢性呼吸不全患者の自宅や社会での生活,および在宅看取りを考慮して在宅酸素療法(home oxygen therapy:HOT)を導入する機会が増えている.1985年に初めて慢性呼吸不全患者に対するHOTの保険適用が認められてから,適応疾患が広がっており,現在では使用患者は,2020年時点で約17〜18万人いるとされている1).本稿では,HOTの目的や適応基準,管理上の注意点などについて,呼吸生理などの観点を交えて解説する.
現在,わが国では3〜4人に1人が65歳以上の高齢者であり,今後も高齢化率の上昇傾向が見込まれる.こうした超高齢社会においては,病院への通院診療だけではなく,在宅診療の重要性が高まっている.特に,慢性呼吸不全患者の自宅や社会での生活,および在宅看取りを考慮して在宅酸素療法(home oxygen therapy:HOT)を導入する機会が増えている.1985年に初めて慢性呼吸不全患者に対するHOTの保険適用が認められてから,適応疾患が広がっており,現在では使用患者は,2020年時点で約17〜18万人いるとされている1).本稿では,HOTの目的や適応基準,管理上の注意点などについて,呼吸生理などの観点を交えて解説する.
参考文献
1)ガスメディキーナ 2021;26:44,ガスレビュー社.
2)厚生省特定疾患呼吸不全調査研究班.平成3年度報告書.1991:pp.11-16.
3)厚生労働省保険局医療課.診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について.保医発0304第1号 令和4年3月4日.http://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kyushu/000215073.pdf(2024年6月28日アクセス).
4)日本緩和医療学会ガイドライン統括委員会(編).進行性疾患患者の呼吸困難の緩和に関する診療ガイドライン2023年版 第3版.金原出版,2023.
掲載誌情報