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文献詳細

雑誌文献

検査と技術52巻10号

2024年10月発行

文献概要

臨床検査のピットフォール

Clostridioides difficile感染症の検査におけるピットフォール

著者: 長岡里枝1 原稔典1

所属機関: 1広島大学病院診療支援部臨床検査部門

ページ範囲:P.1060 - P.1063

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はじめに

 Clostridioides difficile感染症(CDI)はClostridioides difficile(C. difficile)が産生する毒素(toxin A, toxin B)によって引き起こされる疾患である.抗菌薬使用などによって腸内細菌叢が攪乱された状態で発症することが多く,重症化や再発のリスクが問題となっている.また,C. difficileは芽胞を形成しアルコール抵抗性であることから院内感染の原因となるため,医療施設において早急に対処すべき深刻な感染症である.よって,CDIを診断するための検査は重要であり,迅速かつ正確な検出が求められる.

 現時点でさまざまな検査法が実施されているが,検体のセレクトや取り扱い,各検査法の検出感度,検査結果の解釈など,注意すべき点がいくつも存在する.本稿ではそれぞれのピットフォールについて,広島大学病院(以下,当院)の検討結果を交えて紹介する.

参考文献

1)CDI診療ガイドライン作成委員会(編).Clostridioides difficile感染症診療ガイドライン2022.日化療会誌.2023;71:1-90.https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/guideline_cdi_230125.pdf(2024年7月3日アクセス)
2)Lacy BE, et al. Bowel disorders. Gastroenterology 2016; 150: 1393-1407. e5.
3)西尾美津留,他.Clostridioides difficile Toxin/GDH抗原同時検出試薬の検出性能に関する比較検討 第2報—C.DIFF QUIK CHEKコンプリートとクイックチェイサー CD GDH/TOXの比較.医学検査 2023;72:223-229.
4)原稔典,他.Clostridioides difficileにおけるNucleic acid amplification testおよびToxigenic cultureの必要性の検討.日外感染症会誌.2023;20:22-28.
5)原稔典,他.便培養コロニーを用いたClostridioides difficile特異抗原および毒素検出におけるC.DIFF QUIK CHEKコンプリートの多施設臨床性能評価.日臨微生物会誌.2021;31:186-191.
6)妹尾充敏.Clostridioides difficile感染症の細菌学的検査.IASR 2020;41:44-46.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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