icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術52巻11号

2024年11月発行

文献概要

技術講座 生化学

液体クロマトグラフィー・質量分析(LC-MS/MS)システムを用いた血中ビタミンD濃度測定の有用性

著者: 古谷裕1 越智小枝1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学臨床検査医学講座

ページ範囲:P.1100 - P.1105

文献購入ページに移動
Point

●ビタミンDは骨だけでなくさまざまな疾患に関与する多機能因子であり,ビタミンD充足度の測定の重要性が増している.

●自動前処理システムと液体クロマトグラフィー・質量分析器を用いて25(OH)Dの代謝産物や光学異性体を簡便かつ迅速に自動測定できるようになった.

●上記機器を用いた健常者の血清25(OH)Dマススクリーニングでは98%が「ビタミンD欠乏・欠損」に該当し,より精密なビタミンD充足度マーカーの必要性が示唆された.

●質量分析器を用いることにより代謝産物や光学異性体や関連因子などを同時に測定するマルチプレックス検査が可能となる.

参考文献

1)榊利之.代謝研究に基づくビタミンD作用メカニズムの再考.生化学 2015;87:438-444.
2)Herrmann M. Assessing vitamin D metabolism - four decades of experience. Clin Chem Lab Med. 2023; 61: 880-894.
3)島津製作所.LCtalk47号INTRO 大気圧イオン化法.https://www.an.shimadzu.co.jp/service-support/technical-support/analysis-basics/lcms/lctalk-47intro/index.html(2024年7月2日アクセス)
4)Miyamoto H, et al. Determination of a Serum 25-Hydroxyvitamin D Reference Ranges in Japanese Adults Using Fully Automated Liquid Chromatography-Tandem Mass Spectrometry. J Nutr. 2023; 153: 1253-1264.
5)高根真希,他.全自動LCMS前処理装置CLAMを用いた質量分析法による免疫抑制薬の血中濃度測定に関する評価.移植 2021;56:15-23.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?