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文献詳細

雑誌文献

検査と技術52巻3号

2024年03月発行

文献概要

増大号 POCUSの決め手。 早く、正確な診断のために 3章 領域ごとの基本走査法

血管領域

著者: 太田智行1

所属機関: 1国際医療福祉大学病院放射線科

ページ範囲:P.220 - P.225

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はじめに

 POCUSの目的の1つは,臨床情報を加味した上で,ベッドサイドの超音波検査を用い,早く正確な診断を行い,迅速に正しく介入し,予後を最良化することである.誤解があるかもしれないが,POCUSはCT検査を排除するものではない.CT検査装置がない環境ではもちろん,患者のバイタルサインが不安定でCT検査が難しい場合などでは,超音波検査しか頼れないが,現代の救急医療でCT検査を完全に省略することは困難である.従って,実際はCT検査前に可能な診断はつけて,迅速介入の準備を始めたり,CT検査後の経過観察で,超音波検査を積極的に利用しながら,刻々と変化する患者の容態を追跡したりすることがPOCUSの役割になることが多い.ただし,CTやMRI検査による画像診断だけでは正確な病態が見落とされるようなピットフォールもあるため,POCUSの視点は救急医療では必須である.

*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2027年3月31日まで)。

参考文献

1)竹川英宏,他.大動脈解離が両側総頸動脈に及んでいた1症例の頸動脈エコー所見.Neurosonology 2004;17:28-30.
2)EMCrit Project. Rapid Ultrasound for Shock and Hypotension-the RUSH Exam. https://emcrit.org/rush-exam(2023年12月21日アクセス)
3)Bernardi E, et al. Serial 2-point ultrasonography plus D-dimer vs whole-leg color-coded Doppler ultrasonography for diagnosing suspected symptomatic deep vein thrombosis: a randomized controlled trial. JAMA 2008; 300: 1653-1659.
4)Caronia J, et al. Resident performed two-point compression ultrasound is inadequate for diagnosis of deep vein thrombosis in the critically III. J Thromb Thrombolysis. 2014; 37: 298-302.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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