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文献詳細

雑誌文献

検査と技術52巻3号

2024年03月発行

文献概要

増大号 POCUSの決め手。 早く、正確な診断のために 4章 症状別検査の進め方

腹部膨満

著者: 植村和平1 白崎優太1

所属機関: 1市立稚内病院総合診療科

ページ範囲:P.270 - P.277

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腹部膨満とは

●さまざまな腹部膨満の類義語

 “腹部膨満感”には,“腹部膨満(abdominal distension)”,“腹部膨隆(abdominal swelling)”など,さまざまな類似の用語がみられる.日本の成書では,主に“膨隆”は他覚的所見であり,“膨満”は自覚症状とされることが多いようだが,混同して用いられることもある.さらにややこしいことに,腹部膨満に関してはなぜ自覚症状として出現するのか,正確な機序は知られていないが,さまざまな疾患でみられる症状である.

 まず,用語の整理を行っておくが,2018年に世界保健機関から,約30年ぶりとなる「国際疾病分類(International Classification of Diseases:ICD)の第11回改訂版(以下,ICD-11)」が発表された.そこでは,腹部膨満を“abdominal distension”,腹水やabdominal distension以外での腹部腫瘤による膨隆を“swelling”と表現している.また近年の論文の表現としては,主訴としての表現に“abdominal bloating”と記載されている.

*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2027年3月31日まで)。

参考文献

1)Sullivan SN. Functional abdominal bloating with distention. ISRN Gastroenterol. 2012; 2012: 721820.
2)LeBlond RF, et al. DeGowin's diagnostic examination 11th Edition. McGraw-Hill Education, 2020.(監訳:上田剛士,出版社:MEDSi)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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