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増大号 POCUSの決め手。 早く、正確な診断のために 4章 症状別検査の進め方
外傷の全身評価
著者: 伊禮裕人1 瀬良誠1
所属機関: 1福井県立病院救命救急センター
ページ範囲:P.321 - P.327
文献購入ページに移動24歳,男性.バイク走行中に大型トラックと接触し受傷,バイクから数m離れた場所まで飛ばされていたとのこと.救急隊接触時のバイタルサインは意識JCS1-1,脈拍100回/分,血圧110/73mmHg,呼吸数30回/分,SpO2 95%(室内気)であった.E-FAST(extended focused assessment with sonography in trauma)は陰性,血液検査を行った後に全身のCT検査を実施した.CT検査で右多発肋骨骨折,右肺尖部に軽度の気胸,右肺挫傷,右橈骨遠位端骨折の診断となった.いずれも保存加療の方針で胸部外科,整形外科へ入院を相談し,準備を進めている.
上記は,外傷診療ではよくみる光景であろう.上述したE-FASTとは,外傷診療で用いる超音波検査技法のことである.ここではその内容について解説し,実臨床でどのように活用するかを例示していく.
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