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文献詳細

雑誌文献

検査と技術52巻4号

2024年04月発行

文献概要

技術講座 生理

—step up編—超音波カラードプラ法を用いた甲状腺中毒症の鑑別

著者: 太田寿1 西原永潤2 赤水尚史2

所属機関: 1前 隈病院臨床検査科生理機能検査室 2隈病院内科

ページ範囲:P.400 - P.404

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Point

●バセドウ病と無痛性甲状腺炎の鑑別に,上甲状腺動脈最高血流速度の測定による血流評価(カットオフ値:45cm/秒)が有用であるとの報告があります.

●未治療のバセドウ病においても甲状腺内血流が乏しい症例も存在します.

●破壊性甲状腺炎の病初期では血流値は低値を示しますが,回復期においてはTSHの上昇に伴い血流の増加がみられることがあり,注意が必要です.

●甲状腺機能低下症(TSH高値)を来した橋本病(慢性甲状腺炎)の症例では,甲状腺内血流が豊富にみられる場合があり,バセドウ病との鑑別が必要です.

参考文献

1)日本甲状腺学会.甲状腺疾患診断ガイドライン2021(2022年6月2日改定).https://www.japanthyroid.jp/doctor/guideline/japanese.html(2024年1月18日アクセス)
2)Uchida T, et al. Superior thyroid artery mean peak systolic velocity for the diagnosis of thyrotoxicosis in Japanese patients. Endocr J. 2010; 57: 439-443.
3)Ota H, et al. Quantitative measurement of thyroid blood flow for differentiation of painless thyroiditis from Graves' disease. Clin Endocrinol (Oxf). 2007; 67: 41-45.
4)太田寿,他.甲状腺超音波検査による血流定量測定法の開発と甲状腺中毒症の鑑別診断.ホルモンと臨.2007;55:281-286.
5)太田寿.びまん性甲状腺病変におけるドプラ法の評価法と注意点は? Med Technol.2013;41:1544-1545.
6)太田寿,他.甲状腺専門病院における超音波検査室の運営—検査技師による工夫と実践.乳腺甲状腺超音波医.2019;8:3-11.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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