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文献詳細

雑誌文献

検査と技術52巻4号

2024年04月発行

文献概要

FOCUS

Rapid antimicrobial susceptibility testing(RAST)の有用性と限界

著者: 大瀧博文1

所属機関: 1関西医療大学大学院保健医療学研究科

ページ範囲:P.424 - P.426

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はじめに

 微生物検査室に提出されるさまざまな検体の中で,血液培養ボトルは特に重要な検体として位置付けられる.このボトルから細菌が検出されることは菌血症を意味し,いわゆるパニック値に相当する(コンタミネーション例を除く).パニック値の場合は主治医などに至急連絡するのが通例であるが,自動化が進み24時間体制で円滑な報告が可能な生化学検査などとは異なり,いくつかの用手的,経験的要素が伴うこの検査の運用は,施設間でばらつきがあるのが実際である.また,迅速に最終報告まで至る他の検査と異なり,血液培養検査は中間報告が極めて重要となる.陽性ボトル内容液を用いた中間報告は,グラム染色標本の鏡検や質量分析による同定は速やかな対応が可能であるが,薬剤感受性検査の場合には時間を要することが以前からの課題であった.European Committee on Antimicrobial Susceptibility Testing(EUCAST)は,2018年から血液培養検査で陽性となったボトルの内容液を直接的に薬剤試験に用いるrapid antimicrobial susceptibility testing(RAST)を推奨している.今回はRASTの発表から約6年が経過したこともあり,最新の文書1,2)に記載された方法を確認するとともに,本法の有用性と限界について考察していきたい.

参考文献

1)European Committee on Antimicrobial Susceptibility Testing. Methodology-EUCAST rapid antimicrobial susceptibility testing directly from positive blood culture bottles. Version 4.0, 2023.
2)European Committee on Antimicrobial Susceptibility Testing. Zone diameter Breakpoint Tables for rapid antimicrobial susceptibility testing directly from blood culture bottles. Version 6.1, 2023.
3)Uechi A, et al. Evaluation of the feasibility of EUCAST RAST using antimicrobial disks available in Japan. J Infect Chemother. 2023; 29: 978-984.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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