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文献詳細

雑誌文献

検査と技術52巻4号

2024年04月発行

文献概要

臨床検査のピットフォール

正確な皮膚灌流圧(SPP)測定のために知っておくこと

著者: 中本有美1

所属機関: 1金沢医科大学病院中央臨床検査部

ページ範囲:P.443 - P.446

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はじめに

 皮膚灌流圧(skin perfusion pressure:SPP)とは,皮膚組織の微小循環における灌流圧のことを指す.微小循環では,毛細血管が分布し,組織と血液との物質交換の場となっている.良好な物質交換の維持には,血管内にて一定のレベル以上の圧が必要である.従って,SPPは物質交換維持レベルの指標といえる1,2).SPP測定は,包括的高度慢性下肢虚血(chronic limb-threatening ischemia:CLTI)と呼ばれる疾患群の重症度判定ならびに治療方針の決定に頻用されている検査である3,4).非侵襲的かつ簡便な検査法であるが,体動に起因する測定不良を来すことがあり,再測定を行うことが多いこともこの検査の特徴である.

 本稿では,正確なSPP測定のためのコツ・ポイントについて,CLTI患者の下肢SPP測定を想定し解説する.

参考文献

1)重松邦広,小野塚温子.皮膚組織灌流圧.脈管学 2005;45:294-296.
2)堀川宗之.見て読んで学ぶ 人体解剖生理学 第1版.真興交易医書出版部,2014.
3)ESC/ESVS 診療ガイドライン委員会(編).2017年 European Society of Cardiology ポケットガイドライン.日本血管外科学会ガイドライン委員会(翻訳).PAD:Peripheral Arterial Diseases(末梢動脈疾患)の診断と治療に関するガイドライン.https://www.jsvs.org/ja/publication/2019062803.pdf(2024年1月11日アクセス)
4)日本循環器学会,他.2022年改訂版 末梢動脈疾患ガイドライン.https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2022/03/JCS2022_Azuma.pdf(2024年1月11日アクセス)
5)Shinozaki N. Effect of body position on skin perfusion pressure in patients with severe peripheral arterial disease. Circ J. 2012; 76: 2863-2866.
6)川上隆太郎,他.下肢拳上時間の違いが皮膚灌流量とABIにおよぼす影響.日血浄化技会誌.2019;27:262-264.
7)株式会社カネカメディックス.皮膚灌流圧(SPP)測定装置PAD4000 添付文書.https://www.kaneka-med.jp/medicalstaff/products/5_ssp/1_ssp/1_ssp/1_pad4000/(2024年1月11日アクセス)
8)中本有美,他.皮膚灌流圧(SPP)連続測定が検査に及ぼす影響.医学検査 2019;68:132-137.
9)上村哲司,他.皮膚灌流圧に関する考察.日フットケア会誌.2013;11:83-87.
10)山田真由美,他.皮膚灌流圧(SPP)測定装置と皮膚再灌流圧(SRPP)測定装置の比較検討.日心血管インターベンション治療会誌.2014;6:141-145.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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