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雑誌文献

検査と技術52巻5号

2024年05月発行

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トピックス

脂質代謝の新しいマーカー—「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」を踏まえて

著者: 木村孝穂1

所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科臨床検査医学

ページ範囲:P.503 - P.505

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はじめに

 「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」1)が発表され,食後の中性脂肪(TG)の指標として随時TGが脂質異常症の診断基準に加わった.脂質異常症の診断には,総コレステロール(TC)・TG・高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)濃度を測定し,空腹時採血かつTG 400mg/dL未満の場合はFriedewaldの式(F式)で低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)値を算出する.

 食後やTG≧400mg/dLでF式(TC−HDL−C−TG/5)が適用できない場合,LDL-Cを直接法で測定するかnon-HDL-Cを算出する.本稿では,non-HDL-C,随時TGと血管内におけるTG代謝の中心的役割を担うリポ蛋白リパーゼ(lipoprotein lipase:LPL)を取り上げる.

参考文献

1)日本動脈硬化学会(編):動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版.日本動脈硬化学会,2022.https://www.jathero.org/jp/wpcontent/uploads/publications/pdf/GL2022_s/jas_gl2022_3_230210.pdf(2024年2月13日アクセス)
2)日本動脈硬化学会(編):動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド2023年版.日本動脈硬化学会,2023.
3)Lloyd-Jones DM, et al. Life's Essential 8: Updating and Enhancing the American Heart Association's Construct of Cardiovascular Health: A Presidential Advisory From the American Heart Association. Circulation 2022; 146: e18-e43.
4)Kimura T, et al. Circulating levels of lipoprotein lipase and glycosylphosphatidylinositol-anchored high-density lipoprotein binding protein 1: new markers for cardiovascular diseases among noncommunicable diseases: a brief narrative review. J Lab Precis Med. 2023; 8: 18.
5)Beigneux AP, et al. Autoantibodies against GPIHBP1 as a Cause of Hypertriglyceridemia. N Engl J Med. 2017; 376: 1647-1658.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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